【1月26日 AFP】クーデターが発生した西アフリカ・ブルキナファソで25日、新軍事政権を支持する人々が集会を開いた。一方でフランスや国連(UN)、周辺国は、クーデターを相次いで非難した。

 サヘル(Sahel)地域に位置する貧困国で、政情不安が続いていることで知られるブルキナファソでは、ロック・カボレ(Roch Kabore)大統領のイスラム過激派対策に対する不満が拡大。カボレ氏は24日、反乱兵により身柄を拘束され、ポールアンリ・サンダオゴ・ダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐が率いる「防衛と復興のための愛国運動(MPSR)」が実権を掌握した。

 首都ワガドゥグ中心部の広場には数百人が集まり、旗を振ったり、楽器のブブゼラを吹いたりして、軍事政権への支持を表明。付近ではダミバ中佐のポスターを販売する露天商もいた。教師のジュリエンヌ・トラオレ(Julienne Traore)さん(30)は、「私たちにとって、これはクーデターではない。無能な人々に支配されていた国の解放だ」と話した。

 参加者の中には、マリとロシアの国旗を持つ人もいた。マリでは2020年、ブルキナファソと同じく、イスラム過激派対策への不満を背景に軍が政権を掌握。ロシアは最近、マリと安全保障関係を構築している。

 ブルキナファソの旧宗主国フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、今回の政変を「軍事クーデター」と非難。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「軍事的な権力掌握を深く遺憾に思う」と表明した。ブルキナファソも加盟する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は臨時の首脳会議を開き、「軍事クーデター」を断固として非難する声明を出した。

 ブルキナファソの国営テレビRTBは24日夜、カボレ氏の直筆とされる手紙をソーシャルメディアで公開。同氏が「より大きな国益のために」退任を表明したと伝えた。手紙の信ぴょう性は確認できないが、ECOWASはカボレ氏の辞任を確認。辞任は「2日間にわたる反乱の後、兵士からの脅迫、威嚇、圧力」によるものだったと主張した。カボレ氏やラッシーナ・ゼルボ(Lassina Zerbo)首相ら政権幹部の所在は不明となっている。(c)AFP/Armel BAILY