【1月26日 AFP】英首相官邸で新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)措置に違反するパーティーが開かれていたとされる問題で、ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service)は25日、捜査を開始したことを発表した。この問題をめぐり辞任要求が高まっているボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は、捜査への協力を表明した。

 国民が規則を順守する中、首相官邸で複数のパーティーが開かれていたという疑惑は政権を揺るがし、ジョンソン氏にとって就任以来最悪の危機に発展している。

 24日には、ジョンソン氏が2020年6月19日に首相官邸でロックダウンの規則違反となる誕生日パーティーを開催したという疑惑も浮上。当時、社交行事の参加人数は屋外で最大6人に制限されていたが、英民放ITVによると、このパーティーには最大30人が出席したという。

 ロンドン警視庁は、過去2年間にわたり定期的に浮上していた一連のパーティー疑惑の捜査を拒否してきたことで、広く批判されてきた。しかし、クレシダ・ディック(Cressida Dick)警視総監はロンドン議会(London Assembly)で、方針転換を表明。今後、関係者が正式な事情聴取や刑事罰を受ける可能性が出てきた。

 ジョンソン氏が警察の正式な捜査の一環として事情聴取を受ければ、現職の英国首相としてトニー・ブレア(Tony Blair)氏に次いで2人目の事例となる。ジョンソン氏は議会に対し、警察の決定を歓迎するとし、「国民が必要としている透明性を確保し、この問題にけじめをつけることができる」と述べた。(c)AFP/Charles ONIANS