【1月25日 AFP】中国のチャットアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」からオーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相の公式アカウントが消えたことについて、同アプリを運営する中国IT大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)は、アカウントがハッキングを受けたり、削除されたりした事実はないと否定した。豪政府高官からは、中国政府による「干渉」だと非難する声が上がっていた。

 2019年2月に開設されたモリソン首相のアカウントは現在、「澳華新生活(オーストラリアと中国の新生活)」と題するアカウントに変わっている。このアカウント名は、福州九八五信息科技(Fuzhou 985 Information Technology)という会社が昨年10月28日に登録していた。

 だが、アカウントの投稿は2019年2月1日までさかのぼることができ、モリソン氏が初投稿した「ウィーチャットに公式アカウントを開設できてうれしい」というメッセージも残っている。

 テンセントの広報担当者は「これはアカウントの所有権をめぐる係争とみられる」とし、問題のアカウントは、中国の個人によって当初登録された後、福州九八五に譲渡されたと説明している。

 モリソン首相は海外ユーザー向けの「ウィーチャット」ではなく、中国本土にいる人のみが登録できる国内版の「微信」アカウントを持っていたもようだ。福州九八五の代理人は24日、オーストラリアの公共放送局SBSに対し、同アカウントの購入は合法だと述べた。(c)AFP