【1月24日 AFP】香港当局は23日、新型コロナウイルス感染の予防措置として殺処分するため飼い主から回収したハムスター77匹のうち、検査で陽性が確認されたのは1匹だったと発表した。

 中国本土と同様に「ゼロコロナ」戦略を掲げる香港では、ペットショップがオランダから輸入したハムスターが陽性反応を示したことから、ヒトへの感染を防ぐため殺処分を決定。

 当局は18日、飼い主に対し、昨年12月22日以降に購入したハムスターを引き渡すよう呼び掛けていた。モルモットやウサギなど他の小動物も回収・殺処分の対象となった。その結果、23日までに2000匹以上が処分された。

 世界保健機関(WHO)は、動物からの感染リスクは「依然低い」ものの、可能性はあるとの見解を示している。

 香港では23日、1年半ぶり高水準となる140人の新規感染が報告された。これまでに170人の集団感染が見つかった葵涌(Kwai Chung)地区の高層公営団地では、約5000人に5日間の外出禁止が命じられた。また、全住人3万5000人が検査対象となっている。

 ハムスターの引き渡し・殺処分や葵涌地区の外出禁止令をめぐり、市民からは政府の対応やゼロコロナ戦略の実現可能性について疑問視する声が上がっている。

 これに対し香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は、医療体制を守るためにゼロコロナ戦略は必要だと主張している。(c)AFP