【1月27日 People’s Daily】近頃、中国河北省(Hebei)張家口市(Zhangjiakou)崇礼区(Chongli)の太舞スキーリゾートや富龍四季リゾートタウンはますます人気が増している。大型スキー場が続々とオープンしており、ゲレンデがスキーファンでにぎわう季節が来た。

 以前、穏やかな丘陵状の山脈と豊富な天然雪を持ちながら、崇礼区の氷雪産業は発展が停滞していた。1997年、崇礼区で最初のスキー場がオープンし、ウインタースポーツがじわじわと人気を集めていった。北京市と張家口市が提携し、2022年冬季オリンピック・パラリンピックの会場が誘致されて以来、崇礼区の氷雪産業は急速に発展した。関連産業の勃興・発展によって、スキーリゾートが急激に増え、崇礼区は「スキーの町」となった。

 崇礼区の氷雪産業形成は、中国の氷雪産業発展の縮図である。氷雪産業の最初期から発展の過程に沿って、その風景はずっと開拓され続けてきた。「3億人にウインタースポーツを広める」という目標をめぐり、更に多くの人や資本、技術が加速度的に集まり、スキーリゾートタウンが生まれ、業態はさらに豊富になり、多元化した消費ニーズを満たした。

 ある時期から、氷雪産業は産業発展の見込みを考える際、不均衡さや不十分さ、つまり冬の寒い地域でしかできないという時間的・空間的な制約に直面してきた。人々は常に次のように言う――氷雪産業への挑戦は冬にも夏にも続いている。喜ばしいことに、少なからぬリゾートタウンが模索を続け、雪のある時期の「長所」をさらに伸ばし、雪のない時期という「短所」をカバーする努力をしている。崇礼区では、一部のスキーリゾートから「オールシーズン営業」モデルが出てきている。春に運営チームビルディングやピクニックを行い、夏はファミリー層向けの避暑、秋は風景と写真撮影を楽しむ旅行客を取り込む。スキーのできない季節の空白を埋め、ワンシーズン営業からオールシーズン営業への転換を行った。

 空間的にも、スキーリゾートは地域的な制約を突破しただけでなく、産業の境界を開拓している。近年、黒竜江省(Heilongjiang)・河北省など天然雪資源が集中する地区以外にも、重慶市(Chongqing)・雲南省(Yunnan)にもスキーリゾートが根付き、単純にスキーに依存する発展モデルからの脱却を図っている。青少年のウインターキャンプからスキーフェス、大型スポーツ大会まで、リゾートタウンはさまざまな要素を最適化し、多様な産業が集まる場を形成し、運営コストを下げ、消費者の滞在時間を延ばす取り組みを行っている。現在のスキーリゾートは単なる運動場ではなく、観光レジャーや文化体験など多様な業態の複合施設であり、多様な人々が集まる場になっている。

 統計によれば、2020年の中国における氷雪産業の産業規模は6000億元(約10兆円)に達した。(c)People’s Daily/AFPBB News