【1月24日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は23日、テニス界はロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を大切にし、他の個性豊かな選手をなおざりにしてきた代償を払わされていると話した。

 率直な発言で知られるキリオスは、四大大会(グランドスラム)を席巻してきた「ビッグ3」を10年以上にわたり過度に強調してきたことの反動が出始めていると考えている。

 ビッグ3のうち、今回の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2022)に出場しているのはナダルだけで、ジョコビッチは新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐって国外退去を命じられ、フェデラーはけがで欠場している。

 タナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis、オーストラリア)とのペアで出場したダブルスの試合後の会見で、キリオスは「関係者は10年にわたって3人だけを宣伝してきて、今はそのツケが回ってきているんじゃないかと思う」と話した。

 キリオスは、シングルスではダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)に敗れて2回戦敗退に終わったが、ダブルスではコキナキスとのコンビで準々決勝に進出した。母国のファンからも二人の試合を見たがる声が大きくなっている。

 キリオスは「テニス界は、別のやり方をする別の個性を持った選手をなかなか受け入れられずにいる」と指摘し、「そうした選手をもっと受け入れるべきだと思う。自分とメドベージェフの試合も、これ以上ないほど正反対の個性を持った選手同士の対戦だった」と話した。

「それでも、実際のテニスの質はかなりいいレベルだったし、見ていても楽しかったはずだ。テニス界はそうした面をもっと押し出していく必要があると思う。そうでないと…」と続け、横に座っていたコキナキスが「廃れていく」と後を引き継いだ。(c)AFP