【1月23日 AFP】75歳で手こぎボートによる大西洋の単独横断に挑戦していたフランス人男性ジャンジャック・サバン(Jean-Jacques Savin)さんが22日、海上の船内で死亡しているのが発見された。サバンさんのサポートチームが明らかにした。

 ポルトガルの沿岸警備隊が21日、アゾレス(Azores)諸島沖でサバンさんのボートが転覆しているのを発見。船室からサバンさんの遺体が見つかった。

 サバンさんは今月1日にポルトガル本土の南端から出航。20日夜から21日にかけて救難信号を2回発信して以来、音信不通となっていた。

 元空挺(くうてい)部隊員のサバンさんは2019年、特注のたる形カプセルで127日かけて大西洋を単独横断し、フェイスブック(Facebook)で数千人のフォロワーを集めた。

 サバンさんは今回、全長8メートル、幅1.7メートルの手こぎボートでカリブ海(Caribbean Sea)到達に挑戦していた。

 サバンさんは19日、強風と大きなうねりに見舞われ、海水脱塩装置を電気式のものから緊急時用の手動式のものに切り替える必要があったとフェイスブックに投稿。「体力を消耗する」としながらも「危険な状況にはないので安心してほしい」とつづっていた。

 手こぎボートで大西洋を横断するのは「老いを笑う」ためだと語っていたサバンさんは、14日に75歳の誕生日を迎えたばかりだった。(c)AFP/Fabienne FAUR