【1月22日 AFP】イエメン北部で21日、刑務所が空爆を受け、少なくとも70人が死亡した。西部では別の空爆もあり、少なくとも子ども3人が死亡。長く続くイエメン内戦は激化の様相を呈している。

 反政府武装勢力フーシ派(Huthi)の拠点である北部サーダ(Saada)の刑務所では、空爆により複数の建物が崩壊。フーシ派は、がれきに埋もれたり、激しく損傷したりした遺体を映した凄惨(せいさん)な映像を公開した。

 国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」によると、サーダ市内の病院は多数の死傷者への対応に追われた。ある病院には死者70人、負傷者138人が運び込まれ、他の2病院にも「多数の負傷者」が搬送された。空爆現場にはまだ多くの遺体があるほか、多数が行方不明になっており、夜になっても捜索が続いているという。

 同国で活動する8支援団体は共同声明で、刑務所は移民の収容施設として使用されており、死傷者の多くが移民だったと説明。「民間人の命の露骨な軽視」を非難した。

 子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」によると、サーダの南方にある西部の港町ホデイダ(Hodeida)では、フーシ派と戦うサウジアラビア主導の連合軍が通信施設を空爆し、近くで遊んでいた子ども3人が死亡した。国内では全国規模のインターネット障害も起きた。

 フーシ派は17日、連合軍に参加するアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを無人機と弾道ミサイルで攻撃し、3人が死亡。7年近く続くイエメン内戦は新たな局面を迎え、UAEは報復を宣言していた。

 連合軍はホデイダ空爆を認めているが、サーダで空爆を実行したかどうかについては明らかにしていない。(c)AFP