【1月22日 AFP】南太平洋の島国トンガで15日に起きた海底火山の噴火は「島全体」を揺るがす「原子爆弾」のように感じられた──。援助関係者が21日、AFPに語った。

 海底火山フンガトンガ・フンガハアパイ(Hunga Tonga-Hunga Ha'apai)の噴火で津波が発生し、トンガが世界から遮断されてから約1週間。当時の様子について、被災地から証言が届き始めている。

 本島のトンガタプ(Tongatapu)島にいたというトンガ赤十字(Tonga Red Cross)の事務局長は、「原子爆弾のようだった」と表現し、「噴火音で島全体が揺れた」と振り返った。

 国連(UN)のジョナサン・ベイチ(Jonathan Veitch)調整官は、AFPフィジー支局からの取材に対し、トンガ人の現在の最大の関心事は飲料水だと述べた。

 同調整官は「噴火以前、トンガの人々の多くは雨水に頼っていた」とした上で、「火山灰の影響で雨水が汚染されていれば、地下水を利用できない限り問題となる」と指摘。地下水源の位置を把握し、アクセスを確保することが喫緊の課題となっている。

 水質検査は始まっているが、15日の噴火後は「国中が灰に覆われている」という。

 トンガ政府は現在、津波の被害が特に大きかった離島への影響を含め、震災後の状況に関する評価を完了している。これまでに3人の死亡が確認されているが、被害の規模はまだ算出されていない。(c)AFP/Maddison Connaughton