【1月24日 Xinhua News】中国車載電池市場で半数以上のシェアを誇る、寧徳時代新能源科技(CATL)は18日、シェアリング化とサービス化により電気自動車(EV)ユーザーのコストを引き下げ、車載電池をシェアリング資産としてEVから切り離す方針を明らかにした。これは同社が電池交換事業に正式に参入することを示している。

 同社は電池交換サービスブランド「EVOGO」を通じ、電池交換を組み合わせた全体的なEV向けソリューションの普及を図る。独自開発した交換用モジュール型バッテリー「Choco-SEB(スワッピング・エレクトリック・ブロック)」は1つのブロックで200キロ走行可能となっている。

 同社傘下でこのサービスを手掛ける時代電服科技の陳偉峰(Chen Weifeng)総経理によると、中国では2021年12月の自動車販売台数に占める新エネルギー車(NEV)の割合が22・6%に高まったが、航続距離に対する懸念や燃料補給の不安、購入コストが依然として新エネ車消費者を悩ませている。これを受け、CATLは「交換用SEB、急速交換ステーション、アプリ」の三つを組み合わせた電池交換ソリューションとサービスを開発。車体と電池を切り離す方式により、車載電池を共有資産として独立させ、消費者に新しい体験をもたらす。

「Choco-SEB」は、車載電池の共有と交換を実現するために開発された量産型電池で、小型で高性能、自由な組み合わせが可能で、設計が容易などの特徴を持つ。ユーザーは交換時にブロックを1点以上選ぶことができ、さまざまな走行距離の需要に柔軟に対応することが可能となる。また、CATLの最新技術「CTP(セル・トゥー・パック)」を採用することで、重量エネルギー密度160Wh/kg、体積エネルギー密度325Wh/L以上を実現。1ブロックで約200キロ走行できる。純EVプラットフォームをベースとする車種では、世界の市販車の80%、今後3年間に発売が予定されている全モデルに対応する。

 CATLが今回発表した急速交換ステーションは車載電池交換施設として、敷地面積が小さい、流れが迅速、容量が大きい、全天候型などの特長を持つ。標準的な交換ステーションは1カ所につき駐車スペース3カ所が設けられ、所要時間はSEB1ブロックにつき約1分となっている。ステーション内には48個のブロックが保管され、利用者はいつでも確実にフル充電状態の電池と交換でき、長時間待つ必要もない。

 中国汽車工業協会によると、21年におけるCATLの車載電池搭載量は80・51ギガワット時(GWh)に達し、業界全体の52・1%を占め、EV大手の比亜迪(BYD)や車載電池メーカーの中創新航科技、国軒高科を大きく引き離した。業界関係者は、CATLが新エネ車部品のサプライヤーという役割に満足せず、新エネ車産業チェーンにより深く関与し、新たなパイを獲得したいと考え始めたとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News