【1月21日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が20日、シリア北東部でクルド人が管理する収容所を攻撃し、IS戦闘員を解放した。英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が報告した。

 クルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(Syrian Democratic Forces)」は声明で、攻撃を受けたことを認めた。逃亡した人数は明らかにしていない。

 シリア人権監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdul Rahman)代表によると、標的とされたのは、北東部のクルド人支配地域で最大規模のIS戦闘員収容施設、グワラン(Ghwayran)収容所。

 収容所入り口で自動車爆弾が爆発。続いて近くで2度目の爆発が起きた後、IS戦闘員が収容所を警備するクルド人治安部隊を攻撃したという。

 シリア民主軍は攻撃について「周辺地域から侵入したダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)の潜伏工作員」によるものだと指摘した。

 シリア人権監視団によると、シリア民主軍は同収容所に増援部隊を派遣し、周辺を封鎖している。また、米軍主導の連合軍の航空機が収容所上空を飛行し、付近に閃光(せんこう)弾を投下したという。

 シリア民主軍のファルハド・サーミ(Ferhad Sahmi)報道官は後に、「収容所内の状況は現在、制御されている」と述べた。

 クルド人組織の関係者によると、クルド人管理下の各地の収容所には、IS関係で計1万2000人以上が収容されており、その国籍は50か国以上に上る。(c)AFP/Hashem Osseiran