【1月20日 AFP】南太平洋の島国トンガは、今月15日に発生した海底火山の大規模噴火と津波により、広範な被害に見舞われた。

 トンガについて五つの事柄をまとめた。

■孤立した島国

 トンガは南太平洋に浮かぶ169の島々から成る島しょ国で、国土は南北800キロに広がっている。うち、定住者がいるのはわずか36島だ。

 国内に住む人口は約10万5000人。それとほぼ同数の国民が、主にニュージーランド、オーストラリア、米国などの外国に居住し、送金によって経済を支えている。

 米地質調査所(USGS)によると、首都ヌクアロファは今回の噴火地点から約65キロに位置し、厚さ2センチの火山灰で覆われた。

 トンガはフィジー経由の海底ケーブルで、インターネットを介して世界とつながっているが、今回の噴火で接続が切断されたため、現地発の情報は断片的にしか得られていない。

 2019年にも船のいかりでケーブルが切断されたことがあり、この時トンガは2週間にわたって孤立した。その後、外部との最低限の通信を維持するため、国営の小規模な衛星通信サービスが導入された。

■古代王国

 トンガに人が定住したのは、紀元前1500年ごろ。南太平洋で現在まで唯一残る先住民王国だとされている。

 約1000年前に成立した王国の権力と影響力は13世紀ごろには、東に900キロ近く離れたサモアを含め、周辺の島々に及んでいた。

 さまざまな島が王国に忠誠を誓い、1845年、国王ジョージ・ツポウ1世(George Tupou I)が全土を統一し、近代トンガの指導者として名をはせた。

 またトンガは、太平洋の島国の中では唯一、過去に一度も正式に植民地化されたことがない。ただし、1900年に英国と友好条約を結び、自治権を維持しつつも英保護領となった。その後、1970年に独立している。