【1月20日 AFP】英政府は19日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の流行を受け、先月からイングランドで再導入していた感染症対策の規制の大半を解除すると発表した。感染のピークを越えたことがデータで示されたためとしている。

 在宅勤務の推奨は即時打ち切られた。来週半ばからは公共交通機関などでのマスク着用義務を廃止し、ナイトクラブなどへの入場の際求められるワクチン接種証明、いわゆる「COVIDパス」の提示も不要となる。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は議会で演説し「類いまれな追加接種キャンペーン」の成果だと語った。これまでに360万回以上の追加接種が行われ、60歳以上の9割以上が完了したという。

 ジョンソン氏は「政府の専門家は、オミクロン株の流行の波が英全土でピークを越えた可能性が高いと考えている」としながらも、「パンデミック(世界的な大流行)はまだ終わっていない」と警告した。

 英国では1月初め、新型ウイルスの1日の新規感染者数が20万人を超え、過去最多を更新。医療現場は逼迫(ひっぱく)していた。しかし新規感染者数は減少傾向に転じ、19日には約10万8000人となった。

 サジド・ジャビド(Sajid Javid)保健相は同日の記者会見で、「季節性インフルエンザの場合と同じように、新型ウイルスとの共存を学ばなければいけない」とし、数か月以内に新型ウイルスと共存するための長期計画を策定する方針を示した。これには陽性者の自主隔離義務の撤廃が含まれるという。(c)AFP/Charles ONIANS / Joe JACKSON