【1月20日 AFP】(更新)ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は19日、ロシアはウクライナに「侵入」するとみられるが、本格的に侵攻すれば非常に大きな代償を払うことになると述べた。

 バイデン氏は就任から20日で1年になるのに合わせて会見。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は戦争を望んでいないはずだと述べる一方、「私の推測では(ウクライナに)侵入するだろう。何らかの行動を起こす必要があるからだ」として、ロシアが米国を試すために「小規模な侵入」を行うとの見方を示した。

 バイデン氏は「ロシア軍がウクライナとの国境付近に集結させた部隊を使って実際に行動を起こせば、ロシアにとって最悪な事態になるだろう」として、米国の同盟・パートナー国は、ロシア側に多大な損害を与える用意があると警告。

 戦力で上回るロシア軍がウクライナに侵攻した場合、いずれ勝利する可能性は高いが、ロシア側の犠牲も多大なものになると指摘した。

 一方、「小規模な侵入」であれば北大西洋条約機構(NATO)の対抗措置が弱いものになると示唆し、物議を醸した。

 ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は直ちに「ロシア軍がウクライナとの国境を越えれば、それは新たな侵攻であり、米国と同盟国は直ちに団結して厳しい措置を取る」と釈明した。

 さらに、ロシアには軍事行動とまではいかなくとも、サイバー攻撃や準軍事的な戦術など、さまざまな戦略があると指摘。バイデン氏の発言はこうした攻撃に対し、団結して断固とした報復措置を取るという意味だと補足した。

 バイデン氏はロシアのウクライナへの「小規模な侵入」を黙認するのかという質問に対し、米国家安全保障会議(NSC)のエミリー・ホーン(Emily Horne)報道官は、バイデン氏の発言は非軍事的な干渉のことを指すと回答した。

 だが、バイデン氏の発言は共和党議員から非難を浴びた。トム・コットン(Tom Cotton)上院議員は「バイデンの無能さがプーチンを増長させ、今度はウクライナ侵攻を承認した」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Paul HANDLEY