【1月20日 AFP】米ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ(Letitia James)司法長官は18日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の一族が経営する企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)に関する調査で、詐欺行為の「重要証拠」を発見したことを明らかにし、トランプ氏への圧力を強めた。

 ジェームズ氏は裁判所に提出した文書で、現在進行中の調査により、トランプ・オーガニゼーションが融資を確保するために複数の資産を不正に過大評価した上、租税回避のためにその価値を過小評価したことが判明したと説明。トランプ氏と長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏、長女イヴァンカ(Ivanka Trump)氏の召喚を裁判所に求めた。

 民主党所属のジェームズ氏が2019年3月から続けているこの調査は、2024年大統領選でのトランプ氏再出馬の可能性に影を落としている。今回の文書は、トランプ氏が自身とドナルド・ジュニア氏、イヴァンカ氏に対する証人尋問の阻止を試みたことを受けて提出されたもので、ジェームズ氏がこれまでトランプ・オーガニゼーションの不正疑惑について行った主張の中でも最も具体的なものとなった。

 トランプ氏側は、調査が政治的動機によるものであると主張し、3人の召喚を取り下げるよう裁判所に求めている。

 ジェームズ氏が不正行為を立証できた場合、トランプ・オーガニゼーションを提訴できるものの、刑事責任を問うことはできない。ただ、マンハッタン(Manhattan)地区検察官はこれと並行し、金融犯罪や保険詐欺の疑いについて捜査を進めている。(c)AFP/Peter HUTCHISON