【1月20日 AFP】米国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染の波が収束し始めているとみられることが19日、統計データから明らかになった。だが、感染者数は過去の流行の波と比べ大幅に多い状態が続いており、入院患者数もピークに達している。

 感染者が急速に増加した後に急減するという傾向は、南アフリカや英国、フランスなどで見られたオミクロン株感染のパターンと同様とみられる。英国では同日、新型ウイルス対策として導入されている規制の大幅緩和が発表された。

 米疾病対策センター(CDC)の公式統計によると、1日の新規感染者数の7日間平均は、1月13日に過去最多の約79万5000人を記録した。17日は米国の祝日で、週末や休日は感染報告件数が減ることには留意すべきだが、感染者数は週末に入る前の14日時点ですでに減少していた。

 特にニューヨーク州やニュージャージー州、メリーランド州など、最初に感染の波に襲われた北東部では減少が顕著だった。一方、ニューメキシコ州やアリゾナ州、ユタ州など西部の一部地域では、依然として感染者が急増している。

 オミクロン株の症状は以前主流だったデルタ株に比べて軽いことが多いが、感染者の絶対数が多いことや、入院時にたまたま新型ウイルスに感染していた事例が含まれることから、入院患者数は16万人弱で高止まりしている。ただ、増加傾向は見られず、まもなく減少し始めるとみられる。

 英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は19日、議会に対し、イングランドで現在実施されている新型ウイルス関連の規制のほとんどを来週から解除すると表明。屋内でのマスク着用や在宅勤務、ナイトクラブなど人が集まる場所でのワクチン接種証明提示の義務を撤廃するとした。(c)AFP