【1月19日 AFP】八百長疑惑があるとして、ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)に所属するジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)から痛烈に批判された審判のフェリックス・ツバイヤー(Felix Zwayer)氏が、殺害予告や中傷メールの被害に遭っていることを明かした。

 ツバイヤー氏はスカイ・ドイツ(Sky Germany)に対して「私の公式メールアカウントに、対応も無視も非常に難しい、信じられないようなメールが大量に届いている」と明かした。そして警察からも「インターネット上に殺害予告」があるという連絡が入ったと話した。

 ベルリン出身で、現在40歳のツバイヤー氏は、3-2でバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が勝利した昨年12月4日のドルトムント戦で、ベリンガムから試合裁きを批判され、その5日後の9日からは試合を担当していない。

 バイエルン戦では、終盤にマッツ・フンメルス(Mats Hummels)がペナルティーエリア内でハンドの反則を犯してPKを与え、そこから決勝点が生まれた。その少し前には、エリア内でドルトムントのマルコ・ロイス(Marco Reus)が相手のリュカ・エルナンデス(Lucas Hernandez)に倒されたように見えたが、ツバイヤー主審はPKを取らなかった。

 ベリンガムはそのことに怒り、試合後にツバイヤー主審を批判してドイツサッカー連盟(DFB)から4万ユーロ(約520万円)の罰金を科された。ベリンガムは、ノルウェーのテレビ局によるインタビューで「試合中のあらゆる判定について調べることができる。ドイツ最大のビッグマッチに八百長をした審判を任命するなんて、期待したって無理だ」とコメントしていた。

 ベリンガムが言及したのは、元審判のロベルト・ホイツァー(Robert Hoyzer)氏が関与したスキャンダルで疑われている、ツバイヤー氏の副審としての役割だった。

 ホイツァー氏は、クロアチアのマフィアから金を受け取る見返りに試合結果に影響を及ぼしたと告白し、禁錮刑を科された。一方で当時23歳だったツバイヤー氏は、ホイツァー氏が何をしているか知っていたものの沈黙し、300ユーロ(約3万9000円)を受け取ったとして6か月の職務停止処分を受けた。

 ツバイヤー氏自身は、「試合の操作に関与して、ロベルトから金銭を受け取ったことは一度もない」と潔白を主張し続けている。(c)AFP