【1月19日 AFP】ノルウェーで2011年に起きた爆破・銃乱射事件で、77人を殺害した罪で収監されている極右過激派のアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)受刑者(42)は、18日に行われた仮釈放審理で、ナチス式の敬礼をし、白人至上主義のメッセージを発信した。自身の思想を広めるために出廷の機会を利用した形だ。

 2011年7月22日に起きた同事件は、ノルウェーで平時に起きたものとしては最悪の襲撃事件となった。ブレイビク受刑者は翌12年、禁錮21年の刑を言い渡され、刑期は社会を脅かす存在とみなされる限り無期限に延長されることになった。当時の法律に基づき、仮釈放の申請には刑期のうち少なくとも10年を終える必要があるとされた。

 仮釈放審理は安全上の理由から、ブレイビク受刑者が収監されているシーエン(Skien)刑務所の体育館に特設された法廷で行われた。3日間にわたる審理の初日、服装は黒のスーツに白いシャツ、金色のネクタイ、髪はスキンヘッドという姿で出廷した同受刑者は、「われわれ白人民族に対するジェノサイド(集団殺害)をやめろ」と英語で記したプラカードを手にし、到着直後には3人の判事に対して右腕を上げてナチス式の敬礼をした。

 同受刑者は、仮釈放を認められるべき理由として、自分は暴力とは距離を置いていると説明。事件に関しては、ネオナチ(Neo-Nazi)運動に「洗脳」されていたため、自分に責任はないと主張した。(c)AFP/Pierre-Henry DESHAYES