【1月19日 AFP】米マイクロソフト(Microsoft)は18日、米ゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)を690億ドル(約7兆9000億円)で買収すると発表した。アクティビジョンは現在セクハラ問題の渦中にあるが、マイクロソフトは買収を通じてゲーム業界での地位強化を目指す。

 マイクロソフトによれば、同社はアクティビジョン買収により、中国ゲーム大手の騰訊控股(テンセント、Tencent)、日本のソニー(Sony)に次ぎ、売上高で世界第3位のゲーム企業になる見通しで、活況を呈するゲーム業界の勢力図が塗り変えられることになる。

 マイクロソフトは発表で「この買収により、マイクロソフトのモバイル、PC、家庭用ゲーム機、クラウドにまたがるゲーム事業の成長が加速され、メタバースの基礎が築かれることになる」と説明した。

 人気モバイルゲーム「キャンディークラッシュ(Candy Crush)」などを手掛けるアクティビジョンは、不健全な職場環境や女性へのセクハラを容認していたとして、本社を置くカリフォルニア州の当局から提訴されているほか、従業員の抗議や離職が相次いでいる。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、アクティビジョンでは性的暴行やハラスメントなどの問題行為について従業員からの報告が過去7か月間で約700件あった(同じ出来事について複数の報告を含む)。従業員9500人の20%近くが、ボビー・コティック(Bobby Kotick)最高経営責任者(CEO)の辞任を求める嘆願書に署名している。(c)AFP