■頼る先がない

 タリバンが政権を掌握する前でさえ、家庭で虐待されている多数の女性が頼れる先はほとんどなかった。

 殺してやると義父に脅されたザキアさんは女性問題省(現在はタリバンによって閉鎖)に問い合わせ、家を逃れる方法について助言を求めた。だが、ザキアさんの状況はそれほど悪くないと言われ、「話も聞いてもらえませんでした」。

 ミーナさん(17)も7年前、虐待する叔父の元から妹と一緒に逃げ出し、女性問題省に駆け込んだが、同じような扱いを受けた。そして「私が話す内容にうそがあると非難されたのです」。

 アフガン女性の権利を訴えて長年活動し、シェルターを運営しているマブバ・サラジャ(Mahbouba Seraj)さんにとって心配なのは、家庭で虐待を受けていながら、他に行き場のない女性たちだと言う。

 ザキアさんには、少なくとも今のところシェルターがある。だが、いつまでここにいられるだろう。「実の父にも、おまえのことなんかどうでもいいと言われたのですから」

 映像は2021年12月に取材したもの。(c)AFP/Elise BLANCHARD