【1月17日 AFP】ミャンマー東部で、国軍と武装勢力の戦闘が激化しており、多数の避難民が出ている。目撃者によると、16日には主要2都市から僧侶数百人も退避した。

 国軍は昨年2月、アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏率いる政権をクーデターで追放し、実権を掌握した。大規模な反クーデターデモが繰り広げられたが、国軍はこれを弾圧、これまでに1400人以上が死亡した。

 東部カヤ(Kayah)州ロイコー(Loikaw)では先週、激しい戦闘が起き、国連(UN)は約9万人が避難したと推計している。地元NGOは、避難民は17万人に上るとしている。

 約5000人は東部シャン(Shan)州に逃れた。避難に加わった一人の僧侶はAFPに対し、30前後の寺院から僧侶が退避したと語った。ミャンマーでは僧侶は尊敬の対象で、寺院は安全な避難場所とされており、僧侶が退避するのは異例だ。

 この僧侶によると、ロイコー近くの街デモソ(Demoso)にある12の寺院からも僧侶が避難した。

 シャン州タウンジー(Taunggyi)の地元指導者は、少なくとも30人の僧侶が先週、避難してきたと述べた。

 匿名で取材に応じた警官は、ロイコーでは武装勢力が教会や民家を乗っ取ったり、刑務所を襲撃したりしており、「街はまるで墓場のようになった」と語った。毎日約600台の車がロイコーから避難してきているという。

 国連によれば、ロイコーとデモソは武装勢力の拠点となっており、昨年12月以降戦闘が激化している。(c)AFP