【1月17日 Xinhua News】中国電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)は13日、自動配送技術を手掛ける米ニューロ(Nuro)と共同開発・設計した第3世代自動運転EV配送車を発表した。プロジェクトは2019年8月にスタートした。23年に量産を開始し、より高度で環境に優しい配送サービスの提供を目指す。

 Nuroは、米グーグルの自動運転自動車部門のエンジニアだった朱佳俊(Zhu Jiajun)氏とデイブ・ファーガソン氏が16年にシリコンバレーで立ち上げた自動運転配送車の研究開発に特化した企業で、すでに2世代のレストラン・雑貨店向け車両を開発している。テキサス、アリゾナ、カリフォルニア州の一部地域では自動配送サービスの試験運用も行った。

 特許検索・分析ツールを手掛けるシンガポールのパットスナップによると、Nuroの公開済み特許出願件数は自律ロボット、自律走行車両、自動運転、プロセッサー、半自律走行、輸送システム、遠隔操作などの分野で170件に上り、うち97%以上を発明特許が占める。

 BYDは完成車の開発と試験、生産を担うほか、車載電池「ブレードバッテリー」やモーター、電子制御システム、人とコンピューターの相互作用(HCI)システムなども提供。車両は同社の中国工場で生産し、車載電池と自動運転部品の組み立ては米カリフォルニア州のランカスター工場で行う。Nuroは自動運転や車載ゲートウェー、制御モジュール、センサーなどの技術を提供する。

 BYD執行副総裁兼北米支社総裁の李柯(Li Ke)氏は、ランカスター工場の製造技術でNuroの製品革新を支援すると表明し、今後は変革性を備えた自動配送車を共同開発することで、米国により安全で環境に優しく、スマートな物流サービスをもたらしていくと述べた。

 Nuroの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)の朱氏によると、今回発表された車両は将来的に米国の特定エリアで公道を走行するという。同社はBYDとの提携を足掛かりに自動運転車の大規模生産を進め、安全性や大気の質、物流効率の改善に向けた取り組みを行っていく。(c)Xinhua News/AFPBB News