【2月11日 AFP】化学兵器の廃棄処理は複雑で危険な上に時間のかかる作業だ。

 処理方法は主に二つある。焼却と中和だ。

 どちらもサリン、マスタードガス、VXといった化学剤を火薬類や金属部から取り除く。

 焼却法では、炉内の温度が最高1500度に達する高乱流燃焼室で化学剤を処理する。

 液体・気体の残留物を反応装置に送ってさらに焼却すると、化学剤はほぼ完全に分解される。

 残った気体は浄化され、液体廃棄物は処理される。

 化学剤が入っていた容器は加熱して除染する。

 中和法では、燃焼法よりも低い温度で神経剤を処理する。

 水などの溶媒を加えて安全な物質へと分解することで、神経剤を中和する。

 気体廃棄物と回収した溶媒は処理され、固体の廃棄物は保管される。

 化学兵器の処理には他にもさまざまな方法がある。例えば、火薬類は加水分解した上で処理すると無害化できる。処理した金属部は再利用も可能だ。(c)AFP