【1月15日 AFP】デンマークで14日、女王マルグレーテ2世(Queen Margrethe II、81)の在位50年を記念する祝賀行事が行われた。王室への支持が低下していた1972年に即位した女王は、今では国内の結束を強める存在として国民から愛されている。

 マルグレーテ2世は女性として初めて王位に就き、在位期間は歴代で2番目に長い。芸術家、また愛煙家としても知られる。

 同日の祝賀行事は、新型コロナウイルス対策で規模が縮小された。一般向けの大規模な記念行事は、9月まで延期されている。

 メッテ・フレデリクセン(Mette Fredriksen)首相は、法改定に伴い女性が王位を継承できるようになった1953年、「民主的な投票」により女王が「国民に選ばれた」と強調した。

 女王はこの50年間、スキャンダルを避け、立憲君主制の近代化に尽力。デンマーク王室は現在、世界で最も人気のあるロイヤルファミリーの一つとなっている。

 女王の即位当時は、君主制に懐疑的な声もあった。だが2018年の世論調査によると、国民の4分の3以上が君主制を支持しており、同国が共和国になることを望んでいるのは14.6%にとどまった。

 歴史学者のラース・ホウバゲ・セアンセン(Lars Hovbakke Sorensen)氏はAFPに対し、「女王の人気の根底にあるのは、完全に非政治的であることだ」と説明。「グローバリゼーションや多文化国家としてのあり方、1970~80年代と2008~15年の経済危機、さらには感染症の世界的流行という大きな変化の時代にあって、デンマーク国家を一つにする女王であろうと努めてきた」と語った。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT