【1月14日 AFP】(更新)新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中にパーティーを開いたことが問題になっている英首相官邸で、昨年4月に執り行われたエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の夫フィリップ殿下(Prince Philip)の葬儀の前日にも宴会が開かれていたことが発覚し、政府は14日、女王に謝罪した。

 ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相の報道官は記者団に対し、「国全体が喪に服していた際にこのような出来事があったことは極めて遺憾」と述べるとともに、王室に対し謝罪したことを明らかにした。

 女王に対する謝罪は、首相が直接伝えたのではなく、公式ルートを通じて電話で行われたとみられている。

 ジョンソン氏は、官邸で2020年5月に開かれたパーティーに参加したことは認め、すでに謝罪している。だが、かつて同氏が勤務し、通常は同氏に好意的な英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)が、昨年のフィリップ殿下の葬儀前日に開かれた宴会について報じたことをきっかけに、スキャンダルはさらに拡大している。

 同紙によると、昨年4月16日、職員数十人が官邸で二つの酒宴を開催。英国に厳格な新型ウイルス対策が講じられていた時期で、数時間後にはフィリップ殿下の葬儀が予定されていた。

 感染防止規則にのっとり、殿下の葬儀には30人の参列しか認められなかった。参列者には対人距離を取ることが求められ、エリザベス女王は73年連れ添った夫を、礼拝堂の椅子に独りで座って追悼した。

 ジョンソン氏は、この宴会の当日には首相別邸チェッカーズ(Chequers)に滞在しており、会には参加していないと、同紙は伝えている。

 主要野党3党はいずれも首相の辞任を要求している。また、首相が2020年5月のパーティーに参加したことを謝罪して以降は、与党内からも辞任を求める声が出ている。(c)AFP/Joe JACKSON