【1月16日 CGTN Japanese】中国では、かつて注射1回で70万元(約1252万円)が必要だった「命の薬」のヌシネルセンナトリウム髄注が、一気に1回3万3000元(約59万円)に値下げされ、2022年1月1日からは医療保険の対象になりました。希少疾患である脊髄性筋萎縮症の患者である8歳の楽楽さんは12日午前に1回目の注射を受け、同薬が医療保険の対象に組み入れられてからの、浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)における初の受益者になりました。 

 脊髄性筋萎縮症(SMA)は症例が極めて少ない一方で、発症すれば死に至る場合もある重篤な神経筋疾患です。現在は8歳の男児である楽楽さんは2018年9月に発症が確認されたのですが、治療薬は極めて高価であり、普通の家庭の子である楽楽さんは家計の事情のために、有効な治療を受けることができませんでした。 

 中国国家医療保障局は2021年12月、新薬74種を医療保険の対象にすると発表しました。広く注目されていた「青天井価格の命の薬」であるヌシネルセンナトリウム髄注も、保険の対象になりました。医療保険関連の交渉を経て、同薬は1回分3万3000元の価格で新版医療保険薬品に組み込まれました。楽楽さん一家は希望の光を見いだしました。寧波市婦人科小児科病院のSMA治療チームは12日午前、楽楽さんの腰椎穿刺(せんし)を順調に完了し、ヌシネルセンナトリウム髄注の髄鞘内注射を行いました。 

 楽楽さんは、寧波市で初めてヌシネルセンナトリウム髄注の注射による治療を受けたSMA患者になりました。楽楽さんは今後、寧波市婦人科小児科病院の北部院区リハビリテーション科でリハビリ治療を受け、定期的な投薬と経過観察を受けることになります。主治医は「楽楽さんは生涯にわたって薬を用いる必要があるが、現状の運動機能の維持と生活の質の改善が可能になり、さらには筋張力の面で明らかな改善も得られる」と説明しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News