【1月14日 AFP】(更新)男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けずにオーストラリアに入国し、国外退去を求められた問題で、オーストラリア政府は14日、ジョコビッチのビザ(査証)を再度取り消した。

 アレックス・ホーク(Alex Hawke)移民相は、「健康と秩序を根拠とし、そうすることが公益になるという前提」で今回の措置を講じたと表明。「(政府は)特に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と関連し、オーストラリアの国境を守ることに確固として取り組んでいる」と説明した。

 これによりジョコビッチは事実上、特定の状況を除き、オーストラリアの新規ビザ取得を3年間禁じられる。また、17日開幕の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)における通算10回目の大会制覇と、歴代最多の四大大会(グランドスラム)通算21勝目の達成も危うい状況になった。

 ジョコビッチは全豪オープンの男子シングルスで第1シードに入っており、決定の数時間前には会場のメルボルンパーク(Melbourne Park)で練習に臨んでいた。

 ジョコビッチは今月5日、昨年12月16日に新型コロナウイルスのPCR検査で陽性判定が出たことを理由に、ワクチン接種免除の許可が出たとして、オーストラリアへ渡った。

 だが、メルボルンの空港の入国管理局は免除を認めず、ビザを取り消した上でジョコビッチを市内の入管施設に収容。ジョコビッチは4夜を同施設で過ごした。

 入国する外国人のワクチン免除に最近の感染歴は有効でないと主張する豪政府に対し、ジョコビッチの弁護団は、空港到着時に約束された応答の時間が与えられなかったと訴え、一度はビザ取り消しの決定撤回を勝ち取っていた。

 政府による今回の新たな決定について、連邦巡回裁判所はコメントを出していない。

 また、移民弁護士のクリストファー・リビングストン(Christopher Levingston)氏は、ジョコビッチは移民相の決定について連邦裁判所に差し止めを求めることができるとの見解を示し、「彼は残って闘うか、もしくは去ることができる」と述べた。

 また同氏によると、3年間の新規ビザ取得禁止は公益が認められる場合、免除される可能性があるという。(c)AFP/Mell Chun and Andrew Leeson