【1月14日 AFP】米国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が急増する中、各地でスーパーマーケットの棚が空になっている。新型コロナの流行によるサプライチェーン(供給網)混乱の影響が改めて浮き彫りとなった。

 首都ワシントンに隣接するメリーランド州ベセスダ(Bethesda)のスーパー「ジャイアント(Giant)」でよく買い物をするというジャスティン・トゥーン(Justin Toone)さんはAFPに対し「日曜日ほどひどくはないが、空の棚はまだ多い。入荷していない商品も多い」と話した。

 新型コロナの流行を受け、米国では繰り返し品不足が問題になってきた。流行初期にはトイレットペーパーのパニック買いが起こった。最近は、特に大雪など悪天候に見舞われた地域で、多岐にわたる商品が品切れとなっている。

 トゥーンさんは、「先週は数日間ずっと何もなかった。ジャイアントにも他の店にも果物や野菜が全くなかった」と語った。

 近隣の店からは蜂蜜、卵、牛乳、肉などが消えた。

 供給網管理の専門家、シラキュース大学(Syracuse University)のパトリック・ペンフィールド(Patrick Penfield)教授は、以前の感染拡大は国内の異なる場所で起きたため、供給網の調整により対応可能だったと指摘する。

「オミクロン株の感染力は極めて強く、米全土が同時に影響を受けている。従業員の病欠や隔離の影響が出ている食料品店や生産者が非常に多い」と語った。

 製造や輸送にも影響が出ており、配送できたとしてもスーパーでの荷下ろしに必要な人員の確保が難しくなっている。品薄の商品については一度に購入できる数を制限する店も出ている。

 食料品店では、長期保管ができない生鮮食品が不足する公算が大きい。

 同氏は、全てが平常通りになり、新しい変異種が出現しなくても、品不足は3月末まで続く可能性があると警告した。(c)AFP/Delphine TOUITOU with Juliette MICHEL in New York