【1月14日 AFP】北京冬季五輪開幕を2月4日に控えた中国では、各都市が政府の厳格な「ゼロコロナ」戦略に従いながら、新型コロナウイルスとの闘いを繰り広げている。

 世界最大の人口を擁する中国。各地で実施されている主要なコロナ対策をまとめた。

■西安市

 人口1300万人、兵馬俑(へいばよう、Terracotta Warriors)で知られる内陸部の歴史都市、陝西(Shaanxi)省西安(Xi'an)。昨年12月23日にロックダウン(都市封鎖)を開始したが、新規感染者数は2000人に達し、ここ数か月で国内最大の感染地域の一つになっている。

 一部経済活動の停止や市外への移動禁止に続き、新たな規制では、自宅からの外出や市内の車両走行も制限されている。

 物流の障害や医療現場での問題も起きており、地元当局はロックダウン対応で非難を浴びている。

 市衛生当局トップは6日、妊娠8か月の女性の流産をめぐり公に謝罪した。コロナ検査証明書のない女性が病院に入ることを拒否される様子を捉えた動画がインターネット上で拡散し、世論の怒りが噴出した。

 当局は住民の食料確保に苦戦していたことも認めたが、この問題はいくらか解消したようだ。

■天津市

 少なくとも2人のオミクロン株感染が確認された北部の港湾都市、天津(Tianjin)では、クラスター感染への不安が大きくなっている。オミクロンは感染拡大のスピードが速いためだ。

 9日、当局は市外への「不要不急」の外出をしないよう住民に命じ、許可のないすべての市外移動を禁じた。学校や大学のキャンパスは閉鎖され、全市民1400万人を対象とした検査が実施されている。

 天津での感染拡大は小規模にとどまっているが、北京までの距離が150キロと比較的近いことから注意が必要だ。天津発・北京行きの列車は運行中止となっており、道路も検問所が設置され通行止めとなっている。