【1月13日 AFP】アフリカネーションズカップ(2021 The Africa Cup of Nations)は12日、グループF第1節のチュニジア対マリ戦が行われたが、主審が90分を前にホイッスルを吹くという一幕があった。0-1で敗れたチュニジアのモンドヘール・ケビエル(Mondher Kebaier)監督は、「こんなことは一度も経験したことがない」とコメントした。

 ザンビア人のジャニー・シカゼ(Janny Sikazwe)主審は、時計が89分47秒を示している段階でタイムアップを告げ、1人少ないマリに1-0の勝利を言い渡した。

 これに対しチュニジア側は、アディショナルタイムがまだ数分残っていると激しく抗議した。

 混乱に包まれる中、マリのモハメド・マガッソウバ(Mohamed Magassouba)監督は試合後、観客席の下にある部屋で記者会見に出席していた。するとそこに関係者が入ってきて、試合はまだ3分残っていて再開する予定だと話した。

 マリの選手たちはピッチに戻ったが、チュニジアの選手が姿を見せなかったため、主審はマリ側のキックオフをもって試合終了を確定させることになった。

 マリのエル・ビラル・トゥレ(El Bilal Toure)が退場したため、数的優位となっていたチュニジアのケビエル監督は「対応するのが困難な状況。主審は試合が5分残っている段階で笛を鳴らし、さらに89分にもホイッスルを吹いた。実質的に7、8分のアディショナルタイムをわれわれに与えなかった」とコメントした。

「彼の判断は不可解だ。なぜあのような判断が下されたのか理解できないし、これから何が起きるか見ていく」

 しかしながら、試合再開を拒否したチュニジアには、アフリカサッカー連盟(CAF)からさらなる処分が下される可能性がある。

 ケビエル監督は「彼は試合終了の笛を吹き、控室に向かうように求めてきた。だから選手たちはアイスバスに入っていたのに、そこから戻るように言われた」と付け加えた。

「30年にわたりこの仕事をしてきたが、こんなことは一度も経験したことはない」 (c)AFP