Q:冬季競技の実現可能性は?

A:北京は、水需給が逼迫(ひっぱく)している状態を示す「水ストレス」が高い。2100万人が住む同市の人口1人当たりの水資源量(最大利用可能量)は、年間185立方メートル。国連(UN)が示す基準量の5分の1以下だ。

 中国が冬季五輪招致に成功した際のPRの一つとして掲げていたのは、「3億人がウインタースポーツに参加する」というスローガンだった。

 しかし環境問題専門家は、人工の雪と氷に頼る冬季競技を推進すれば、水不足が悪化しかねないと指摘する。

 仏ストラスブール大学(University of Strasbourg)のカルメン・デヨング(Carmen de Jong)教授(地理学)は、「雪が降らない地域で大会を開催するのは持続不可能だ。水とエネルギーを一定の地域で大量に使用すれば、土壌の質に悪影響をもたらし、浸食を引き起こす」と指摘した。

「開催する上で必須の天然資源がないのに大会を企画するのは、持続不可能なだけではない。無責任だ」 (c)AFP