【1月21日 AFP】中国は、北京冬季五輪で「グリーン化」促進の成果を誇示しようとしているが、国内でも特に降雪量が少ない地域で人工雪に頼らざるを得ない大会をめぐり、環境的な負荷に対する懸念が生じている。

 本大会に関する政府の主張を独自に検証するのは難しい。環境問題専門家はAFPに、政府のグリーン化目標を分析すれば、当局の反発を招く恐れがあると明かした。

「グリーン五輪」に関して分かっていることをQ&A形式でまとめた。

Q:中国の約束とは?

A:中国は、大会の電力源を風力、水力、および太陽エネルギーに限定すると約束している。だが実際は、中国経済の電力供給源の3分の2近くは石炭に支えられている。

 北京冬季五輪の三つの競技エリアの一つ、張家口(Zhangjiakou)市当局は広大な土地に風力発電ファームを設置した。設備容量は1400万キロワットで、シンガポール1か国分に相当する。

 山腹にも太陽光パネルが敷き詰められ、当局の説明によれば、設備容量はさらに700万キロワット増えるという。

 大会組織委員会はAFPに、「再生可能エネルギー由来の電力を集め、全会場に供給する専用の発電所」が建設されたと語った。これで、安定した電力供給が確保できるとしている。

 だが、中国の経済成長を何十年もけん引してきたのは石炭火力だ。現在も中国では、世界全体で建設中の総数を上回る石炭火力発電所を建設している。