【1月12日 AFP】世界銀行(World Bank)は11日に発表した最新の経済見通しで、今年の世界経済の成長は「著しく減速」するが、急速に広まっている新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」により経済成長がさらに阻害され、労働力不足やサプライチェーン(供給網)の停滞が悪化する可能性もあると警鐘を鳴らした。

 世銀は、今年の世界経済成長率は昨年の5.5%から4.1%に下がると予測。昨年と今年の成長率予測はいずれも、昨年6月の前回見通しから0.2ポイント下がった。

 だが、オミクロン株による経済の混乱、サプライチェーンの制約悪化、インフレ期待の不安定化といったリスクにより、見通しが不透明となっていると警告。これにより、今年の世界経済成長率は0.7ポイント低下し、3.4%まで下がり得るとした。

 デービッド・マルパス(David Malpass)総裁は、新型コロナウイルスの流行が貧困国に「大打撃」をもたらしており、その影響は長期にわたる恐れがあるとの懸念を示した。

 米国の成長率は昨年5.6%だったが、今年の見通しは前回から0.5ポイント低い3.7%に大幅に引き下げられた。昨年8%だった中国の成長率は、見通しが0.3ポイント下方修正され、今年は5.1%に減速すると予測されている。(c)AFP/Delphine TOUITOU