【1月12日 Xinhua News】日本の大学に留学していた中国人女性、江歌(Jiang Ge)さんが2016年11月に東京のアパートの自室前で殺害された事件を巡り、江さんの母親が、当時江さんのルームメートだった劉暖曦(Liu Nuanxi)被告を自らの命を守るために江さんを犠牲にしたなどと訴えていた裁判で、山東省(Shandong)青島市(Qingdao)城陽区人民法院(地裁に相当)は10日、劉被告に対し、経済的損失49万6千元(1元=約18円)と慰謝料20万元を江さんの母親に支払い、訴訟費用の全額を負担するよう命じる一審判決を下した。

 江さんは事件当日、劉被告と一緒に帰宅したところを、待ち伏せていた劉被告の元交際相手に刃物で刺され、死亡した。劉被告は当時、元交際相手に付きまとわれていた。先に室内に入った劉被告が江さんを外に残したままドアを施錠。江さんが危険にさらされることを認識しながらドアを開けず、江さんを助けようともしなかった。元交際相手の男は17年12月、東京地方裁判所に懲役20年の判決を言い渡されている。

 青島市城陽区人民法院は、劉被告に対し、江さんをトラブルに巻き込んだ当事者でありながら、自らを守るために江さんの命の安全を顧みなかったことは明らかな過失だとして、相応の民事賠償責任を負うべきだと認定。また江さんの母親の愛娘を失った悲しみは計り知れず、日本での事後処理や事件後の劉被告の心ない発言でもさらなる精神的苦痛を味わったとして、精神的損害の賠償責任も負うべきだとした。(c)Xinhua News/AFPBB News