【1月11日 AFP】キプロスの実験室で見つかったとされる新型コロナウイルス「デルタ株」と「オミクロン株」の特徴を併せ持つ変異株「デルタクロン株」について、専門家らは10日、実験室汚染によるものである可能性が高く、新たな変異株ではないと述べた。

 キプロスメディアは8日、デルタクロン株が見つかったと報じた。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)感染症疫学教室のウイルス学者トム・ピーコック(Tom Peacock)氏は9日、「複数の大手メディアが報じたキプロスの『デルタクロン株』は、明らかに汚染によるものとみられる」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 英ウエルカム・サンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)で新型コロナのゲノム解析を主導するジェフリー・バレット(Jeffrey Barrett)氏は10日、「デルタ株とオミクロン株の生物学的組み換え体ではないのはほぼ確実だ」と述べた。

 専門家らは、インターネットを中心に流れる新型コロナに関する偽情報に積極的に対処している。

 インフルエンザと新型コロナが合体した「フルロナ」または「フルロネ」と呼ばれるウイルスが発生したとの未確認情報が先週出たが、世界保健機関(WHO)が10日、否定した。

 WHOの感染症疫学者マリア・バンケルコフ(Maria van Kerkhove)氏は「デルタクロンやフルロナ、フルロネといった言葉を使わないで」とツイートした。「こうした言葉はウイルスや変異株の合体を意味するが、そうしたことは起きていない」

 インフルエンザと新型コロナの同時感染はあり得るが、合体はあり得ない。(c)AFP