【1月10日 People’s Daily】12月6日、中国国家統計局が発表した全国食糧生産データによると、2021年の全国食糧総生産量は6828億5000万キロで、前年より2.0%の133億5000万キロ増となり、年間の食糧生産量は過去最高を記録し、7年連続で6500億キロ以上を維持した。食糧生産は18年連続豊作となった。

「今年、全国の食糧は再び豊作となり、国の食糧安全の確保、複雑で変わりやすい国内外の情勢への対応、各種のリスク・挑戦の克服のために力強い支えを提供し、経済社会の高品質発展の推進のために強固な基礎を築いた」と、国家統計局農村局の王明華(Wang Minghua)副局長は述べた。

 作付面積を安定的に増やすことが食糧の豊作への再転換のための重要な基盤だった。王氏により、2021年、各地で食糧生産責任を重層的に強化し、最も厳格な耕地保護制度を実施し、耕地の「非農業化」を断固として抑制し、「非食糧化」を防止した。食糧生産の支援力をさらに強化し、荒廃農地の再開発を支援し、冬季休閑田を開発し、農民の食糧生産の積極性を高めた。全国の食糧作付面積は17億6400万ムー(約117万6500平方キロメートル)で、前年より0.7%の1295万ムー増となり、2年連続で増加を達成したという。

 食糧豊作に再び転じさせるため、農業科学技術の大々的な普及は重要な支えだった。江蘇省(Jiangsu)儀征市(Yizheng)新集鎮花園村では、全行程の無人農機作業を利用し、耕作管理の効率が向上し、農薬肥料の使用量が減少した。「今年の水稲の伸びはここ数年来最も良く、1ムー(約667平方メートル)あたり750キロ以上になり、以前より100キロ増産した」と、同村の稲作農家の金泉(Jin Quan)氏がうれしそうに語った。今年、同省の水稲農機による田植え精密定量栽培技術の普及面積は2300万ムー(約1万5300平方キロメートル)を超えた。

 よい農業技術、よい農機、よい植物保護対策、よい種子。科学技術の習得により、中国の食糧総合生産能力は向上し続けている。そのうえ、高収量作物であるトウモロコシの作付面積が拡大し、食糧作物の比重が高まり、食糧収穫高の増加を促進している。食糧生産量の実際の刈り取り・実測サンプル調査によると、2021年、全国の食糧作物の収穫高は1ムーあたり387キロ、1ムーあたりの生産量は前年より1.2%の4.8キロ増加となった。

 水害、干ばつ、虫害の発生など、今年食糧生産の警報が何度も鳴った。特に、9月下旬以降、一部の食糧生産地域で連日雨が降り、秋の収穫に支障をきたしている。災害が発生した後、農業農村部は迅速に行動し、作業チームと専門家チームを派遣し、深刻な災害を受けた地域に深く入り込み、技術指導の強化や、農機の調達、水の排出、秋の食糧の収穫、小麦の栽培などをし、災害の損失を軽減した。

 王氏によると、2021年、一部地域の食糧生産量は気候の影響を受けたが、全国の主要農業地区の大部分の期間は光・温度・水のマッチングが良好で、気象条件は全体的に食糧作物の成長発育と生産量の形成に有利だった。2021年、夏の食糧とわせの生産量はそれぞれ1459億5000万キロと280億キロで、前年に比べそれぞれ31億キロと7億キロ増となり、秋の食糧生産量は5089億キロで、前年より95億5000万キロ増加したという。

 ドイツ財経網によると、人口大国の中国の食糧豊作は、世界的な食糧不足の問題を緩和するだろう。中国社会科学院(Chinese Academy of Social Sciences)農村発展研究所の李国祥(Li Guoxiang)研究員は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界に広がり、国際情勢は複雑かつ微妙で、極端な自然災害が頻発している。こうした背景の下、中国の食糧豊作は農業の社会経済を安定させる役割がさらに際立っており、中国が食糧安全の主導権をしっかりと握っていることを意味する。(c)People’s Daily/AFPBB News