【1月10日 AFP】イラン環境庁は9日、国内に生息するアジアチーターがわずか12頭に減少し、「極めて危機的」な状況にあると発表した。2010年には100頭が確認されていたという。

 環境庁のハッサン・アクバリ(Hassan Akbari)副長官はタスニム(Tasnim)通信に、「保護・繁殖計画の強化や道路標識の設置などの対策を講じてきたが、十分ではなかった」とし、現在生息しているのは雄9頭、雌3頭だけだと述べた。

 環境庁によると、生息が唯一確認されているイラン中部の砂漠で、アジアチーターは干ばつや狩猟、自動車事故の犠牲となっている。

 最高時速120キロで走る陸上最速動物のチーターは、かつてはインド東部から大西洋に面する西アフリカのセネガルまで、広域に生息していた。

 アフリカ南部の一部には今も生息するが、アフリカ北部とアジア地域からはほとんど姿を消している。

 国際自然保護連合(IUCN)は、アジアチーターを絶滅危惧種に分類している。(c)AFP