【1月10日 AFP】(更新)新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、男子テニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)がオーストラリア入国を拒否された問題で、同国の裁判所は10日、ビザ(査証)取り消しの決定を覆し、入国者収容施設で拘束されているジョコビッチの即時解放を命じた。

 だが政府側の代理人は、アレックス・ホーク(Alex Hawke)移民相が「個人的な(ビザ)取り消しの権限」を行使する可能性があると指摘しており、ジョコビッチはまだ全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)出場に手が届かない可能性がある。

 ジョコビッチは前週、17日開幕の全豪オープンに出場するためメルボルンに到着した。だがワクチン未接種のジョコビッチは、空港で十分な医学的根拠を提出できなかったと判断され、ビザが取り消しとなった。国外退去命令が一時差し止めとなる間は、入国者収容施設に移されていた。 

 裁判の事実認定では、ジョコビッチはビザを取り消される前に、十分な応答の機会を与えられなかったとされた。ジョコビッチは6日未明にビザ取り消しの可能性を提示され、同日午前8時30分までに返答するよう伝えられたが、入国管理局は同7時42分にビザを取り消したという。

 裁判官は、仮に約束通り午前8時30分まで時間が与えられていれば、ジョコビッチは「他者に相談し、ビザが取り消されるべきでない理由を提出できていたはずだ」と指摘した。

 ジョコビッチは今年の全豪オープンで、歴代単独最多の四大大会(グランドスラム)通算21勝目を目指している。(c)AFP/Mell Chun