【1月8日 AFP】インドの新興旅行会社の創業者コビッド・カプール(Kovid Kapoor)さん(31)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に似た名前のおかげでソーシャルメディアで大きな話題になっている。

 ツイッター(Twitter)のプロフィル欄には、こう書かれている。「私の名前はKovidだ。ウイルスではない」

 カプールさんは今週、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まって以来初めて国外を旅行して「たくさんの人が名前を面白がってくれた」と投稿した。

「この先、国外旅行が楽しいものになりそうだ!」というツイートには、7日までに4万件の「いいね!」が付き、4000回以上リツイートされた。

 このコメントをきっかけにさまざまなジョークやミームが飛び交い、カプールさんの元にはメッセージと取材依頼が相次ぎ、感染力の強い変異株「オミクロン株」の感染者が急増するインドで、ちょっとした安らぎを与えている。

 カプールさんも「1990年からコビッド(Kovid)ポジティブ」だったとして、コロナビールの瓶を手にする写真を投稿した。

「私はもっと旅をしたいコビッドだ」とカプールさんは冗談めかして話す。
 
 一躍脚光を浴びたのは「全く予想していなかった」が、旅行業界が打撃を受けている時期に自身が設立した会社ホリディファイ(Holidify)の宣伝になることを期待しているとAFPに語った。

 パンデミックが始まって以来、仕事の打ち合わせで場を和ませる話題に事欠かなくなったが、カフェで注文した飲み物を受け取る時には名前を呼ばないよう頼んできたという。

 Kovidはインドでは非常に珍しい名前だが、母親はカプールさんが生まれるずっと前からこの名前に決めていた。ヒンディー語やサンスクリット語で「学者」や「学のある人」を意味し、dは弱く発音する。

「素晴らしい意味を持つ覚えやすい名前だ」とカプールさんは言った。「相手が誰であろうと、強く印象付けることができる。絶対に改名しない」 (c)AFP