【1月7日 AFP】日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した実業家の前澤友作(Yusaku Maezawa)氏(46)が7日、帰国後初めて記者会見を開き、地球の良さを再認識したと述べるとともに、次の目標として世界最深とされるマリアナ海溝(Mariana Trench)への潜水に意欲を示した。

 前澤氏は先月、アシスタントの平野陽三(Yozo Hirano)氏と共に、ISSに12日間滞在。宇宙での生活を記録し、ユーチューブ(YouTube)チャンネルの100万人の登録者に向けて発信した。

 前澤氏は会見で「宇宙に行くと地球に夢中になりますね。地球ってすごいと思いました」と話し、宇宙旅行を経て地球のありがたさを改めて実感したと述べた。

 また、無重力状態で困ったことに触れ、睡眠が難しかったと明かした。「寝づらいんですね(中略)常に浮いた状態で寝ないといけない。体が接地している場所がない」と振り返った。

 前澤氏は、ISS滞在に続く次の宇宙旅行をすでに予定している。来年、イーロン・マスク(Elon Musk)氏のスペースX(SpaceX)が企画している月周回旅行に、民間人8人と共に参加する計画を進めている。

「とにかく挑戦が好き」だという前澤氏は、「月だけではない。今度は上だけではなくて下も行きたいな」と語り、「マリアナ海溝でも潜ってみたい、という挑戦も検討している」と明かした。

 日本最大手の衣料品通販事業の創業者である前澤氏が、約100億円を費やしたとされる今回の宇宙旅行は物議を醸し、一部からは批判も受けた。一方で、親しみやすくソーシャルメディアを駆使したことで、人々の宇宙に対する関心を高めたとして評価する声もある。

 自身への批判について前澤氏は、「挑戦にはいろいろ批判もつきまといますし、当然失敗もありますので、それを恐れてやめてしまうことも多いと思う」「僕も何もかも成功しているわけじゃないですし、何もかも夢がかなっているわけでもない。挑戦、みんなでしていくと楽しいですよ、というのは常に思っている」と語った。(c)AFP/Tomohiro OSAKI