【1月6日 AFP】台湾軍は6日、対中軍事力強化の一環で、市街地における戦闘を想定した演習を実施した。

 同日には、演習用に設けられた模擬市街地で、民家や積み上げた土のうの後方などから2小隊が銃撃を交わし、街路を戦車が往来した。

 台湾軍は近年、市街戦の訓練に重点を置いている。

 陸軍歩兵学校の教官は報道陣に対し、台湾の総人口2300万人の大半が都市部に住んでおり、「台湾防衛に当たり、将来の戦闘は市街戦になる」との見方を示した。さらに「中国軍の戦闘計画では、まず沿岸部の町を攻撃し、上陸することが想定される。戦闘はその後、より人口が多い住宅街や商業地区に拡大し、最後に山間部の村々に入るだろう」と述べた。

 過去数十年で最も権威主義的で、地政学上の戦略の積極展開も辞さない構えを示している習近平(Xi Jinping)国家主席の下、中国による台湾への威嚇行為の頻度は高まっている。台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入した中国軍機の数は過去最多の水準に達しており、欧米の友好諸国の間では、今すぐという可能性は低いとしても、中国が台湾侵攻を命令しかねないとする懸念が強まっている。(c)AFP