【1月9日 CGTN Japanese】中国西南部、四川省(Sichuan)にある三星堆(Sanxingdui)遺跡を象徴する文化財「黄金の仮面」を15日の時間と20万元(約363万円)の費用をかけて「復元」した手作り系ブロガーの才浅(Cai Qian)さん(ハンドルネーム:才疏学浅的才浅)は最近、3カ月を費やして国家級無形文化財に指定されているメタルアート「花絲鑲嵌」で中国の宇宙ステーションを制作しました。 

 故宮博物院を訪れた際に精巧に作られた黄金の器に感服した才浅さんは、多くの器が伝統工芸の一つである花絲鑲嵌を駆使していることに気付き、中国南部の広東省(Guangdong)汕頭市(Shantou)まで出向いて、工芸師から国家級無形文化財の技を学びました。宇宙ステーション「天宮(Tiangong)」を制作したのは、「花絲鑲嵌は古代工芸技術の最高の技の一つであり、宇宙ステーションの天宮は中国の現代工業を最も代表するものの一つなので、両者を結び付けたかった」からだそうです。 

 花絲鑲嵌は、春秋戦国時代から受け継がれてきた中国の伝統的な手工芸で、2008年に無形文化財に登録されました。金属を伸ばしたりもんだりしながら1ミリ以下の糸状にして切り、さまざまな形の細かい模様にまとめた後に溶接することで完成します。一つ一つの工程において忍耐力と細心さが試されます。溶接温度を低くすると溶接できず、温度を高くすると溶けてしまい、注意しないと失敗してしまいます。 

 才浅さんは500グラムの金で三星堆の「黄金の仮面」を復元して注目されました。国家文物局の公式微博(ウェイボー、Weibo)は「若者よ、私たちと一緒に文化財の世界を探索しよう」と才浅さんに招待状を送りました。三星堆博物館の朱亜蓉副館長も「文化財修復における名手だ」と才浅さんの腕前を称賛しました。 

 才浅さんは大学で電子情報を専攻していましたが、ずっと手作りを趣味にしていました。「工芸品を手で作る感覚は素晴らしい。自分のやり方で、国の無形文化遺産を多くの人に知ってもらい、関心を持ってもらい、伝統文化を受け継いでいく工芸職人を応援したい」と話しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News