【1月6日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は5日、ペットを子どもの代わりにしている人について「一種のわがまま」だとする見解を示した。世界中の子どものいない愛犬家や愛猫家の怒りを買いそうだ。

 教皇は水曜日恒例のバチカンでの一般謁見(えっけん)で親になることについて語った際、社会においてペットが「子どもの代わりになることがある」と嘆き、「今日、私たちは一種のわがままを目の当たりにしている」「子どもを持ちたくないという人々がいる」と述べた。

 さらに教皇は、子どもをもうけずにペットを飼育する行為は「父性や母性の否定であり、私たちを損ない、人間性を奪う」と主張。「私たちが父性や母性の豊かさを失うことで、文明は人間性をなくして老いていく。その苦しみを負うのは国家だ」と語った。

 その上で教皇は、生物学的理由で子どもをもうけられないカップルは養子縁組を検討するよう呼び掛け、親になることを「恐れてはならない」と諭した。

 これに対しイタリアの動物保護団体「OIPA」は、献身的に動物の命を救うボランティアを引き合いに出し、「教皇が私たちの人生における愛情の量に限りがあると考えているのは、奇妙なことだ」との見解を表明した。

 フランシスコ教皇は2014年にも、子どもをもうけずペットを飼うことは「文化的劣化現象の一つ」であり、ペットとの感情的な結び付きは親子関係の「複雑さ」に比べて「気楽」だと伊日刊紙メッサジェロ(Il Messaggero)に語っている。(c)AFP