【1月17日 AFP】シリア第2の都市アレッポ(Aleppo)で、伝統のハマム(トルコ式の公衆浴場)がにぎわいを取り戻している。ブームが再来しているわけではなく、停電のため自宅で熱いシャワーを浴びることがぜいたくになったのだ。

 アレッポでは燃料不足が深刻化しており、最近では1日に20時間停電することもあった。

 ハマムを訪れたムハンマド・ハリリ(Mohammed Hariri)さん(31)は「自宅では主に電気でお湯を沸かしていますが、ほぼずっと停電しています」と話した。中は混み合っており、30分待ってやっと順番が回ってきた。

 ハリリさんは息子と一緒に来た。5人家族では、自宅のお湯だけでは足りないためだ。「ここでは、好きなだけシャワーを浴びることができます」

 ハマムには、大理石でできたスチームルームの他、噴水やドームがある。アレッポでは長らく、男性が集い入浴し、音楽を聴いたり、食事をしたりする社交の場として機能してきた。

 だが、内戦で荒廃したシリアでは、水や燃料、電気が不足していることから、ハマムは、寒い冬に熱いシャワーを浴びたい人々が集まる場所になった。

 政府軍と反体制派の戦闘で、多くの建造物が深刻な被害を受けた。AFPの特派員によると、2016年の政府軍によるアレッポ奪還以来、再開したハマムはわずか10か所にとどまっている。(c)AFP/Youssef Karwashan