【1月9日 AFP】10歳で片脚をがんで失った時、シャオ・ユエ(Shao Yue〈シャオは召におおざと、ユエは王へんに月〉)さんは自分がダンスを習うようになるとは思ってもいなかった。

 34歳の今は、車いすダンスの国内チャンピオンだ。自分の境遇が、中国で障害者への理解につながることを願っている。

「世間では、私たち障害者が外出するのはとても大変だろうと思われています。(中略)誰かに全面的に頼らないと生きていけないとも」と、いくつもの大会を勝ち抜いてきたシャオさんは話す。

「でも実際には、それほど助けを必要としているわけではありません。それに、私たちはアウトサイダー(はみ出し者)として見てもらいたくないのです」と付け加えた。シャオさんは車で娘を学校に送るのを日課としている。

 中国の社会意識は時代に合わせて徐々に変化してきているが、障害のある人々は、自分たちは今でもアウトサイダーとして扱われていると口にする。

 シャオさんは上海のダンスチームで練習を続けている。メンバーは、聴覚や視覚に障害がある人や車いすを使うダンサーだ。

 ダンスチームの目的は、障害者にアートを通じて自己表現する場を提供し、スティグマ(負のレッテル)を払拭(ふっしょく)することにある。

「追い詰められたように感じている障害者もいます」とダンスインストラクターの周自強(Zhou Ziqiang)さん(38)は説明した。自身には障害がなく、2006年から障害のあるアーティストを指導している。

「私たちのようなグループに参加し、少しずつ自分を開放して社会に参加するようになる人もいます」

 ここ数年、中国の地方当局の中には、障害者が参加できる運動プログラムを増やし、専用のスポーツ施設の設置やインストラクターの育成に投資するところも増えてきた。