【1月6日 AFP】中国・香港は5日、新型コロナウイルス対策として、8か国からの航空機の乗り入れ禁止など、一連の厳格な措置を発表した。欧州や米国では、変異株「オミクロン株」の流行が悪化の一途をたどっている。

 対象となるのはオーストラリア、カナダ、フランス、インド、パキスタン、フィリピン、英国、米国の8か国で、8日から2週間、航空機の乗り入れが禁止される。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官はさらに、バーやジムを閉鎖し、夜間の外食を禁止すると発表した。

 英国、米国、フランス、オーストラリアではここ数日、新規感染者数が過去最多を記録。一方、中国は来月の北京冬季五輪に向けて「ゼロコロナ」戦略を強化しており、2都市でのロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったほか、新たに1000万人以上を対象とした大規模検査を開始した。

 アジアの金融ハブである香港も中国本土と同様、数週間の検疫期間や、局地的ロックダウン、大規模検査といった世界的にも厳しい措置を続けている。オミクロン株の感染者は4日夜までに114人を確認。キャセイパシフィック(Cathay Pacific)航空の従業員から小規模な感染拡大が起きたことを受け、今回の規制に踏み切った。

 部分的ロックダウンが実施されている中国中部・河南(Henan)省鄭州(Zhengzhou)市では、オミクロン株への感染が確認された人数は11人にとどまっているが、5日には1300万人の住民が検査を義務付けられた。近隣の陝西(Shaanxi)省西安(Xi’an)や河南省禹州(Yuzhou)でも数百万人が外出制限を命じられている。しかし、西安の感染者数は数週間前の水準に減少しており、当局は流行が「抑えられた」との見解を示している。(c)AFP