【1月5日 AFP】2月に行われる北京冬季五輪に向けて会場や移動手段、スタッフの準備が進む中、大会で選手や関係者が入る隔離環境「バブル」の運用が4日に始まった。

 2019年末に新型コロナウイルスが初めて報告された中国は、それ以来、極めて厳しい新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を続けている。2月4日から20日まで開催される五輪、その後のパラリンピックでも、新型コロナの影響を抑えるために同様のアプローチが取られる予定で、今回の五輪はパンデミック(世界的な大流行)後では最もルールの厳しい大規模スポーツ大会になる。

 4日以降、何千人という五輪関係者、ボランティア、清掃スタッフ、コック、バス運転手は「クローズドループ」であるバブルにしばらくこもり、外の世界と物理的に直接接触することはできなくなる。昨年夏に新型ウイルスの影響で1年遅れて開催された東京五輪では、ボランティア等のスタッフのある程度の出入りが認められていたが、それとは対照的な措置となる。

 また、北京には今後数週間で約3000人の選手に加えて各国のメディアが集まってくる予定だが、彼らも全員、中国に降り立った瞬間から現地を離れるまでバブル内にとどまる。バブルに入る人間は、ワクチン接種を完了するか、入国後の21日間の隔離が必要で、その中で毎日検査を受け、マスクの常時着用も義務づけられる。

 大会組織委員会(BOCOG)のメディア部門を統括する趙衛東(Zhao Weidong)氏は、昨年12月31日のAFPによるインタビューで、北京側は「完全に準備できている」と話している。

 ファンがバブルに入ることはできず、関係者は彼らが選手らバブル内の関係者と接触しないよう気を配る。バブル内には会場同士をつなぐ専用の交通手段も用意されていて、「クローズドループ」用の高速鉄道網もあり、公共のものと並行して運行される。

 大半の会場は北京市外にあるが、市内の会場では作業員が金網フェンスを作り、冬の寒さの中で警備員も立っていた。

 しかし中国に駐在している外国の外交官は、こうした措置を厳しすぎるとみており、バブル内にいる自国の選手や関係者を適切に支援できないのではないかと懸念している。(c)AFP