【1月4日 People’s Daily】近頃、上海市松江区(Songjiang)臨港(Lingang)産業園でG60スターチェーン産業基地が開業した。最初の事業はデジタル衛星の製造工場や衛星軌道の測定・制御センターなどの建設である。なかでも衛星工場の設計生産能力は、年に300個に達する予定で、2023年には投入される予定だ。「第14次5か年計画」の期間中は、産業規模200億元(約3600億円)の衛星インターネット産業が形成される。

 過去の5年あまり、松江は質の高い発展の成功例であった。地区の生産総額は「第13次5か年計画」の間、年平均10.2%成長し、2021年の1月から9月には前年同期比8.8%の成長を見せた。地方財政収入は連続70か月伸び続け、その総量は上海市において前例を見ないほど飛躍した。

 松江区は上海市の西南郊外にある。「第12次5か年計画」の末期には、財政収入の増加幅などの指標から見て市内全域でも後進地区だった。発展への活路をどこに見いだすかが重要課題だった。

 松江は上海の郊外にあるが、地理的な特徴と強みを持っていた。松江はG60上海ー昆明(Kunming)高速道路の起点であり、40キロの高速道路を区内にあり、浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)など経済的重要都市へのアクセスが便利だ。このG60高速道路に沿った長江デルタ地域には、科学イノベーション産業を主体とする産業ベルトが生まれた。

 先進的製造業を発展させるべく、松江区は1000ムー(約0.6平方キロメートル)あまりの土地を産業用地に転換させ、同時に違法な土地使用を取り締まることによって、7平方キロメートルほどのイノベーション産業に充てる区画を捻出した。

 新しい発展という理念のもと、わずか5年で松江には重大プロジェクトやトップ企業が根を下ろし、先進的製造業が興隆した。

 イノベーションと産業チェーンや経済を結ぶネットワークを準備し、産業とイノベーションの融合的発展を促進することが、松江の発展に重要な役割を果たした。現在までに、松江はバイオ医薬・人工知能などの新興産業を戦略的に集積している。

 人工知能分野では、科大智能やクーカロボティックスなど、人工知能を専門に扱う企業824社を集めている。テンセント(Tencent)長江デルタAIスーパーコンピューティングセンターは、同エリアにおいてデジタル産業発展の基盤を築いている。また、新エネルギー分野でも、松江には自動車企業の比亜迪(BYD)をはじめとした関連企業302社が集まっている。

 このようなビジネス集積が松江の質の高い発展をサポートしている。松江は税収が増加し続けており、中でも工業の貢献度が最も顕著である。2020年、工業分野における固定資産投資の絶対量は年平均35.2%増加している。現在までに松江において、国が定めた基準を超える工業分野企業は1488社、その生産額は4072億元(約7兆3740億円)である。これは上海市内でも2位であり、戦略的新興産業の生産高における割合は63.1%にまで上昇した。(c)People’s Daily/AFPBB News