【1月1日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong un)朝鮮労働党総書記は昨年12月31日、朝鮮労働党中央委員会総会の閉会のスピーチで、食糧問題と経済に重点的に言及し、対米政策には触れなかった。朝鮮中央通信(KCNA)が1日、伝えた。

 貧困国の北朝鮮は、新型コロナウイルス対策として実施している厳格な国境封鎖によって、経済が行き詰まり、食糧不足に悩まされている。

 KCNAは金氏の演説について「国民の生活必需品に関わる問題を解消する画期的な措置を講じることが重要な課題として示された」と報じた。

 韓国の中央銀行によると、北朝鮮経済は2020年、新型ウイルスの流行とそれに伴う国境封鎖により、過去20年以上で最大の縮小幅を記録した。

 北朝鮮で本格的な食糧危機が発生するのではないかとの懸念が高まっており、国連(UN)の人権問題専門家は昨年10月、最も弱い立場に置かれた人々が「飢餓のリスク」にさらされていると警鐘を鳴らしていた。

 金氏は総会で、2022年の主要目標の一つとして新型ウイルス対策を挙げ、「緊急の防疫措置を国家の最優先課題として位置付け、精力的に実施しなければならない(中略)少しの怠慢も抜け穴も許されない」と述べたとKCNAは伝えている。(c)AFP