【1月5日 Xinhua News】中国福建省(Fujian)や浙江省(Zhejiang)の沿岸部で昨年6~10月に、クジラ類が浅瀬に打ち上げられるケースが連続7回発生し、カズハゴンドウやシワハイルカ、ハンドウイルカ、ニタリクジラなど、イルカやクジラ4種47頭が確認された。研究者は打ち上げの原因について、極めて重要な発見をした。

 中国科学院水生生物研究所は29日、クジラ類の大量打ち上げの原因を探るため、同研究所の研究者が7月に打ち上げられ救助されたカズハゴンドウの聴覚能力を調べた結果、この個体に重度の聴覚障害があることが分かったと明らかにした。研究者の分析によると、異常気象などの要因を除き、持続的な慢性水中騒音公害と高エネルギーのパルス音による騒音公害が、この個体の聴覚障害の主な原因に当たるという。

 クジラ類は位置測定と探知をエコーロケーション(反響定位)能力に大きく依存しているため、聴覚に障害を負うと簡単に浅瀬に乗り上げてしまう。このため、専門家はクジラ類の打ち上げの重要な原因の一つは水中の騒音公害にあると推測している。

 研究成果は、このほど国際学術誌「Ecotoxicology and Environmental Safety」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News